【リクナビ】500万円で売られた「内定辞退予測ツール(リクナビDMPフォロー)」の問題点と就活の未来を論考してみた

からはち(@kara_hachi)です。

少し乗り遅れた感がありますが、

「リクナビが内定辞退予測ツール(リクナビDMPフォロー)を1社1年契約で400万円〜500万円で販売した」という問題に関して論考してみようと思います。

リクナビ内定辞退

今回、私が言いたいのは「就活生も企業もリクナビ(というか就活プラットフォーム)に頼らない採用&就活を行うべきだよね?」ということです。

リクナビの内定辞退予測ツール販売の問題点

今回の問題点は「就活生の十分な同意なく、内定辞退予測を販売し、しかもその精度がクソ高い」ということです。

個人情報と言うと、名前、住所、電話番号やメールアドレスを思い浮かべますが、

リクナビが内定辞退を予測するのに収集した個人情報は

  • 内定後のリクナビのログイン歴
  • 他企業へのESの送付
  • 他企業の内定の数

等など、

公式的には”ログイン歴”と書かれていますが、リクナビのプラットフォー厶で収集出来る情報をフル活用したのでしょう。

もちろんこのようなプラットフォームで収集したデータを直接企業が見ることは出来ず、

「AIが分析した結果」を見るだけになります。

が、そういう生データを持っている企業のAI分析がかなり正確であろうことは想像つきます。

リクナビ「お!こいつ最終面接の結果待ちなのにリクナビにログインして、他企業に応募してるやんけ!しかも彼の学歴と今までの就活結果的に、他社でも内定とれそうやな。ほな、内定辞退予測率は高くするわ」

企業「こいつに内定出そうと思ったのに、内定辞退予測率高いなー!内定辞退予測率低い二番手候補を採用するか。お祈りメール(ポチ」

って感じですね。

このやりとりを見ればわかるのですが、リクナビに就活情報筒抜けで、

学生に圧倒的に不利です。

ぶっちゃけ就活生はもう少し反対運動とかしてもよいと思うんですけどね。

リクナビが販売した「内定辞退予測ツール(リクナビDMPフォロー)」は実際に合否判定に使われたか?

リクナビは「内定辞退率を下げるためのツール」のように説明していますが、問題は「内定辞退率を利用して企業が合否判定を行ったか」ということです。

導入した下記の38社はいずれもリクナビDMPフォローを合否判定には使用していないと言っていますが、「合否判定に使ったのでは?」という憶測が出てきています。

私個人的には、「合否判定に使用したかどうかはともかく、このままサービスを続けていたら、確実に合否判定に利用していた」派です。

理由としてはいくつかあります。

内定辞退率が採用担当者のKPIになっている場合がある

就活生から見ると、採用担当者は学生を選り好み出来る身分のように思えますが、

彼らも一会社員。

そのため「今年は営業は30人採用して、技術職は50人採用するぞ!」

というような年間目標を掲げていることが殆どです。

色々なKPIがあると思うのですが、学生とのミスマッチを防ぐ目的で、「内定者をフォローして内定辞退率を低く保つKPI」を持っている採用担当者ももちろんいます。

しかし、内定辞退する理由は様々なので、その割合を下げるというのは本当に達成が難しいKPIになります。

特に自社で毎年数百人採用するような企業ではない限り、自社の内定辞退率のデータが低すぎてアテにならないですからね。

そこで就活プラットフォームで就活生の情報を握っているリクナビが内定辞退予測をしてくれるなら、本当にありがたいと考えるでしょうし、

「内定辞退率を下げるよりも、そもそも内定辞退する人は面接で落とそう」というインセンティブが働くのはあり得る話です。

38社しか導入していない

リクナビDMPツールは採用担当者からすると、喉から手が出る程、欲しいツールだと思います。(内心は言わないと思いますが・・・)

ただそれが、大手企業を中心に38社しか導入していないことから考えるに、本当に実験段階だった可能性が高く、本格展開する前に、問題が表面化したと考えられます。

これからの就活生は就活プラットフォームに頼ってはいけない

リクナビは今回、「個人を特定できる情報を企業に販売していた」&「十分な同意が得られていない」というコンボで東京労働局から指導を受けています。

逆に考えると、「個人を特定できない状態で、十分な同意が得られれば、内定辞退予測ツールを提供してもよい」ということになっています。

それを実際に行っているのが、マイナビで、リクナビが問題になってもマイナビは問題になっていません。

つまり、就活プラットフォームを使用する以上、今回のような情報の使われる可能性が十分あるのです。

なので、これからの就活生は下記のような施策を行った方がよいでしょう。

どの就活プラットフォーム・企業でもデータを取られていると意識すること

就職活動は学生と企業の化かし合いの様子を呈していますが、

中立のように見える就活プラットフォームは就活生の見方ではなく、

実際にお金を出してくれる企業を最優先に考えています。

何年か前にリクナビが多くの企業に一括でエントリーシートを送ることを焚きつけるという問題がありました。

これも「私達のサイトを通じて、御社に○○○人もエントリーシート出しましたよ!」という訴求のためで、就活生のためではありません。

むしろ画一的なエントリーシートを提出することによって不採用率はグンと上がるでしょう。

採用担当者も年間で数百、数千のエントリーシートや履歴書を見ているので、

「自分たちの会社情報に興味があって、少しでも勉強しているかどうか」はエントリーシートの出どころと内容を見れば、すぐにわかります。

就活プラットフォームを使わないダイレクト就活を行おう

「新卒の採用コストは高いんだぞ!」ということは知っていると思いますが、

実は会社によっては採用経路あたりの目標などがあったりします。

例えば、リクナビから20%で、SNSから10%、リファラルリクルーティングで、10%、直接採用で20%….みたいな感じです。

特に直接採用は企業側への金銭的負担が少ないので、非常に好まれる採用方法です。

就活の際に企業に熱意を伝えることは重要ですが、その言い方として、「御社の○○という理念に共感して応募しました」よりも「御社が第一希望なので、リクナビ通さずに直接応募しました」と言った方が熱意に行動が伴っているので、採用担当者に響きやすいです。

先ほども言いましたが、採用担当者は全権がある訳ではなく、単なる一社員に過ぎません。

彼らは毎週ミーティングを開き、なぜこの人を通すのか等を話し合っているのです。

そうなると、候補者を通す際に理由を上司に言う必要があるので、

「具体的な成果」や「具体的な行動」がある人の方が好まれるのです。

最後に・・・

ここまで私の考えを書いていきましたが、

大手や有名会社に入りたい学生は、リクナビやマイナビを使っているなら、自分の就活戦略を考え直した方がよいと思います。

ぶっちゃけ大手の場合は、ネームバリューで勝手に就活生が来るので、リクナビやマイナビを通す必要がないのです。

就活プラットフォームを使いたい会社というのは

  • ネームバリューがない
  • 評判が悪い
  • 大量採用

する企業が大半です。

もちろん有名企業も就活プラットフォームを使っていますが、それらに依存している訳ではないのです。

就活は決して数打てば当たるものではなく、

その業界、企業、職種ごとに就活戦略を考える必要があるのです。

まずは相手の企業の担当者の立場を想像して、就活戦略を考えてみてはいかがですか?