【TOEIC何点!?】外資IT営業に必要な英語力の現実をぶっちゃけてみた

からはち(@kara_hachi)です。

「外資IT企業の営業職を希望しているんだけど、英語力ってどれくらい必要なんだろう?」と疑問に思うはようこそ!

私は新卒から外資IT企業で働いているのですが、OB訪問などでも「外資IT企業は英語力がどれくらい必要なんですか?」とよく聞かれます。

外資系企業の場合、Job descriptionを読んでもBusiness levelとかProfessionalとか書いていてよくわからないんですよね。

この記事では外資IT企業、特にIT営業の場合の必要な英語力をリアルな現場からお伝えします。

外資IT企業に興味がある就職活動の人や、転職活動中の人はぜひ見ていってください。

大前提として、外資IT企業だろうが、IT営業はそこまで英語力は必要ない

IT営業と一言で言っても、色々な種類の仕事内容があるのですが、大前提として、IT営業にはめちゃくちゃ高い英語力は必要ありません。

理由は大きく2つ。

  • 顧客は日本人のため
  • 外資IT営業組織は多層化しやすいため

ちょっと解説しますね。

IT営業の英語力がそこまでいらない理由①:顧客は日本人のため

まず「顧客も同僚も日本人のため」という理由ですが、冷静に考えてみると当たり前で、

外資IT企業が日本進出するのは、日本の顧客相手、特にエンタープライズ(企業向け)の市場をとりにいきたいからです。

「開発やプロダクトマーケは本国で、営業やフィールドマーケは各国支社で行う」のが外資IT企業の基本なので、

GAFAだろうが、他の外資ITだろうが、基本的には「営業組織の方が大きい」傾向があります。

多層化した組織内で日常的にコミュニケーションをするのは同じ部署の同僚か顧客になるので、必然的に日本語を使う機会しかないのです。

外資IT営業組織は多層化しやすいため

「外資ITの営業組織は大きい」と言いましたが、言い換えると多層化しやすい一面を持っています。

つまり、製品や顧客規模、エリアなどで細かく区切られたいくつものIT営業チームの上に更に部があり、その上に複数の部を統括する人がいて、その上は役員、その上はグローバルのAPAC責任者、本国社長のように組織が多層化するんですよね。

ここで英語を日常的に使うのは、日本の役員⇔グローバルのエリア担当者になります。

そのため、日本支社の部長以下は、部下や上司、同僚などを見渡しても日本人しかいないというのが通常です。

新卒入社の帰国子女の人などが「日本で外国人に囲まれて日常的に英語を使って仕事をしたい」という思いで、外資ITに入りますが、正直、そのスキルを使う機会はそこまで多くはありません。

外資系企業で英語が活かせるかどうかに関して別の記事を書いたので、それをご参考ください。

IT営業に必要なTOEICは600!!!

私の偏見ですが、IT営業に必要な英語力はTOEIC600程度と考えています。

TOEIC600は

  • 英文は何となく理解できるけれど、会話は全くできない
  • 履歴書に書いてあると「ある程度英語力はある」と認識される
  • Business levelの英語には応募不可
  • 海外とメールは出来る

というイメージです。

本社とリモートで英語ディスカッションが出来るレベルではありませんね。

この英語力は公立高校まで勉強を行い、

センター試験(大学入学共通テスト)などの受験勉強した人にとってはそこまで難しいスコアではありません。

誤解を恐れずに言うと、結構、微妙なスコアです。

が、

私はさっきまで「外資系IT営業と言えど、お客も同僚も日本人だから殆ど英語なんか使わない」と言っていたのになぜTOEIC600が必要だというのか?

理由はいくつかあります。

IT営業にTOEIC600が必要な理由その①:外資への転職時の書類審査を通過するため

外資IT企業は業務では英語を使わないかもしれないけれど、採用では英語力を重視するという傾向があります。

ITコンサルやエンジニアの場合は、これまでの経験や製品知識、プログラミング言語など個人の能力を客観的に測れる指標がそこそこあります。

しかし、IT営業の場合、“個人の能力”を図るのは結構、難しいんですよね。

IT営業で必要なスキルに関する記事でも書きますが、意外と個人のスキルだけで受注がとれることは少なくて、製品能力やタイミングなどの外的要因も大きくからんでくるのです。

そのため、「10億売り上げました!」といってる候補者がいても、

実は大型クライアントがたまたまシステムを大刷新するタイミングで、担当になっただけかもしれませんし、商談もプリセールスやコンサルなどに任せっぱなしだったかもしれません。

さすがにバックグラウンドチェックでもそこまで細かく把握できないため、

採用者は常に情報不足、時間不足の中で目の前の候補者を採用するかどうかの判断に迫られます。

そんな中でTOEICというのは、数少ない統一的で価値のある資格なんですよね。

採用担当者だって、上長に「この人を採用する理由」を説明する際に、

エビデンスがない実績をもとに採用すると説明するよりも「この人は最低限、英語もできる」という客観的な理由があった方が採用しやすいのです。

-IT営業にTOEIC600が必要な理由その②:ある程度の地頭の良さの証明になる

TOEICスコアとIT営業の成績に相関関係はありませんが、

それでも「ある程度の地頭の良さの証明」になります。

他業種では営業成績が良かったのに、転職後のIT営業では成績が悪いという人がいるのですが、その中でも「IT知識や概念が難しくてついていけない」という人も一定割合でいます。

IT営業は深いIT知識などは求められませんが、やはり顧客の業務と自社のIT製品を理解するある程度の地頭の良さ(または勉強する姿勢)は必要です。

そのような見方だと学歴やTOEICという共通資格は「この人はITの会話ができる程、そこそこ頭がよい」という評価を面接官や上司にもらうために、非常に役に立つのです。

IT営業にTOEIC600が必要な理由その③:やっぱり英語を使う場面はある

私は「外資IT企業と言えども、そこまで英語力は必要ない」と言っていますが、

それでもグローバルからの一斉メールやグローバルへどれくらい見積もりができるか等の資料送付、そもそものIT製品が英語マニュアルしかないことはざらにあります。

まあ、それくらいはGoogle翻訳を使えば、殆ど意味は理解できるので、なんとかなりますが、、、、、

外資IT営業には英語の見えない天井が存在する

平社員として外資のIT営業として働くのであれば、英語力はそこまで必要ではないのですが、もしIT営業職として、出世したいなら、Business levelの英語が必須になります。

当たり前ですが、出世するほどグローバルへの報告やミーティングが多くなるので、

英語が必須になるのです。

この見えない天井が存在するのは年収で言うと、1500万円以上の管理職とかですかね。

外資企業でも英語面接がある場合とない場合がある

殆どのIT営業の場合、マネージャー職でもない限り、英語面接は殆どありませんが、

会社によっては全ての候補者が英語面接を受ける必要があります。

Googleは技術職でも営業職でも英語面接を数回挟むのが有名ですよね。

また日本法人が数十人~百数十人のような小さい外資系企業なら、レポートラインがシンガポールやアメリカなどになるので、英語が必須の場合があります。

私が外資IT営業に必要だと思うTOEICスコアは900

TOEICは勉強すればある程度のスコアを取得することが出来ます。

そのため外資系企業で「お!やるじゃん」と評価されるTOEICスコアは900くらいですね。

以前、IT営業に必要な資格に関する記事を書いたのですが、そこで一番おすすめはTOEICと書きました。

理由は色々あるのですが、営業職特有の理由としては、「他の職種に異動したいと思いやすい」という理由があります。

この記事ではIT営業のキャリアパスなどを書いているのですが、

  • 結婚や子育てなどのタイミングで激務には耐えられない
  • 数字に追われる生活に疲れた

などの理由でHRやマーケなどに異動したいと思う人は一定数います。

が、外資系の場合、バックオフィスはグローバル直轄のチームである場合が多く、

「英語が出来ないから希望の部署に異動出来ない」ということが起こり得ます。

TOEIC900というのは、転職でも異動でも英語能力で足切り食らうことがないスコアです。

もちろん仕事自体が忙しい場合もありますが、

転職や異動までの期間を逆算して、TOEIC900を狙ってみてはいかがでしょうか?