からはち(@kara_hachi)です。
今回は外資系IT企業の中の人として、「IT営業(ITセールス)って実際の仕事内容ってどんな感じなの?ノルマとかきついの?」というような疑問に対して回答していきたいと思います。
- 文系でIT知識はないけれど、IT業界に進みたい新卒
- 職種替えでIT営業に興味がある中途の転職者
- 「ITで業務改善したい!」と面接で言うけれど、違和感を感じる人
- IT営業で働いているけれど、他の会社はどうなの?と思っている人
- 「なんでもいいから、とりあえず年収1000万円超えたい!」人
今回はこのような人々に向けて記事を書いていきます。
IT営業の仕事内容→ITシステムやITサービスを売る仕事

IT営業の仕事内容は「ITシステムやITサービスを売る仕事」ですが、これだとあまりにも漠然としすぎていますね。笑
ITシステムというのは、
- 物理サーバ
- ネットワーク
- 貸与PC
- 仮想環境
- データベース
- アプリケーション
- 社用携帯電話
などの実際に形があるもの、ないもの問わず、「顧客に買い取ってもらい、顧客がデータを保持するもの」です。
例えば、あなたが映画のDVDを購入したら、その所有権はあなたになります。
このようにデータを自分で保持できるのが、ITシステム(On-premise)になります。
ITサービスというのは、
- 月額制の人事管理システム
- 月額制の音楽配信システム
- 社用携帯のサポート契約
- 使用量に応じた課金システムのインフラサービス
などの「顧客に月額で支払ってもらい、顧客はデータを保持しないもの」のことですね。
例えば、NetflixやAmazonPrimeなどで映画を見ることはできますが、そのデータを保持することはできないはずです。
このようなものがITサービス(Cloud Service, Subscription Service)になります。
もちろん、この区分けに入らない営業とかもいるのですが、大まかにはこんな感じです。
IT営業はガチで稼げる!年収1000万円以上がゴロゴロいる職種
私が思うに、数ある営業職の中で、「ハードワークになりがちだけど、ブラック体質が少なく、お金が稼げる」職種がIT営業だと考えています。
「投資銀行の方が!戦略コンサルの方が!総合商社の方が!稼げるよーーー!」という人もいるかもしれませんが、
その職業ってぶっちゃけ学歴やキラキラな職歴がないと厳しいですし、そもそもの採用人数が少ないです。
一方、IT営業は採用人数が多く、未経験でも採用される可能性が高いのにも関わらず、アップサイドがある数少ない職種です。
イメージとしては
新卒3年で、年収700万円、
30代で年収1000万円、
役職がつけば年収1500万円以上の世界ですね。
もちろんIT製品を扱うということもあり、ある程度のITリテラシーは必要になりますし、一緒に働く人も頭が切れる人が多く、中途採用も出来るだけ厳選するでしょう。
しかし、未経験でも過去の自分の経歴や成果をしっかりアピールすることが出来れば誰にでも門戸が開かれていると思っています。
IT営業の職種分類とは?インサイドセールス(Inside-Sales)とフィールドセールス(Field-Sales)の違い

これは別記事でみっちり説明していきたいですが、ここでは概要を説明していきますね。
- インサイドセールス:営業のリストの作成やアポ取りのメールや電話をかける営業
- フィールドセールス:実際に顧客と商談したり、契約まで行う営業
ではインサイドセールスとフィールドセールスの違いをもう少し確認しましょう。
インサイドセールス
文字通り「内勤営業」のことを指します。
仕事内容としては、営業電話のリスト作成から、アポ取りのメール、電話などを行います。
マーケティングなどが集客したリード(見込み客)に対して、電話をかけて、もしアポがとれたら外勤営業に渡す感じですね。
「今までIT営業経験はありません!」みたいな人が最初に配属される場合が多い部署ですね。
インサイドセールスの場合、トークスクリプトや仕事内容がある程度、ルーティン化されているため、有名外資企業や日系大手企業でも常に募集をしていています。
インサイドセールスを続けながらIT製品知識を深め、フィールドセールスに転身するか、インサイドセールスとして出世するか、などのキャリアがありますね。
フィールドセールス
もうすでにIT製品を導入している企業やインサイドセールスが渡したアポを足掛かりに実際に顧客企業に出向き、商談をする営業のことで、外勤営業とも言われます。
ある程度の大手IT企業のフィールドセールスとなると、
- 担当地区
- 企業規模
- 担当製品
などでカニバリゼーションが起きないように細かく担当が決まっているのが普通です。
そのため、担当企業や地区、製品などによって働き方や売れ方が変わってきます。
インサイドセールスよりもノルマは厳しいですが、その変わり、インセンティブやボーナスなどが多く、IT会社の中で最も高給な職種と言えるでしょう。
IT営業はノルマが厳しいか?売上や数字を最も重要視する職種

IT営業に興味のある人が気にする上位3つに必ずランクインするのが、「IT営業はノルマ(数値目標)が厳しいのかどうか」ということです。
一言で言うと、「数字責任は問われるけれど、不動産営業や人材営業よりはプレッシャーが遥かに低い。」というものです。
人によって感じ方が違うかもしれませんが、私がこのように感じる理由を説明していきますね。
大手IT企業のIT営業の場合はルート営業が多い
就職活動中の新卒やIT営業未経験の中途の人は面接の時に「企業の業務をITサービスや製品によって効率化したい」ということを良く言います。
が、
正直、ERPをはじめとした「業務改善のためのITサービス」は飽和しきっており、大きいシステムほどまっさらな新規導入提案というのは殆どありません。
「もうそろそろライセンスが切れそうだから、このタイミングでアップグレードしないとな~」という顧客に対して、継続提案をしかけたり、逆に他社の更新タイミングで乗り換えをすすめたりする提案が多いです。
1商談あたりの取り扱い金額がデカい
「ITサービスのお値段」と聞いて、TwitterやFacebook、Netflix、Amazonなどを思い浮かべると、「無料orめちゃくちゃ安い」というイメージを持ちがちですが、
エンタープライズ向け(企業向け)のITシステムは文字通り桁が異なり、1案件で数千万円くらいになるのが普通です。
私自身の感覚だと数百万規模だと安く、数億~数十億だと大きい案件だな~と思う感じですね。
そのため、toCの保険営業などとは異なり、飛び込み営業なんて殆ど存在せず、
逆にIT知識があるITコンサルタントやアーキテクト、プリセールスやライセンス営業や契約書をレビューしてくれる人など多くの人達を巻き込む調整作業に多くの時間が割かれます。
IT企業の文化的にブラックな人が少ない
割と私の中で大きな理由だと思っているのは、「IT製品を扱うため、顧客も会社内の同僚もある程度ITリテラシーを理解できる人が多い」ということです。
もちろん変な客や上司、後輩などはいますが、他の職種よりは圧倒的にその比率は少ないでしょう。
他の営業に頭おかしい客が多い!とまでは言いませんが、ITリテラシーという見えない壁が足切りになっており、変な顧客や同僚が少ないのはIT業界に共通することだと思います。
ITベンダー企業の場合はパート―ナー(販売代理店)が売った分も自分の数字に出来る
ITベンダーやSaaS企業の場合、自社の営業だけではなく、他の企業と代理店契約をしていることがありますし、逆に自社が他社の製品を売る販売代理店となる場合もあります。
企業にもよりますが、パートナーが販売した実績も自分の成績になるような評価制度のITベンダーも多くあります。
なので、「自分単体だと売上目標を達成してないけれど、パートナーさんが売ってくれたからインセンティブがもらえた!」という場合もあり得るのです。
(まあ、企業規模の大きいアカウント担当であったり、人気の製品の担当だったりする場合という場合ですが・・・)
それでも全てのIT営業はノルマ(数字的目標)がある
それでもIT営業は四半期で結果を求められ、期末には契約書の締結や最後の追い込みでめちゃくちゃ忙しくなるのが通常です。
また売上管理を行う上司が良い人なら特に問題ありませんが、「何で数字上がらねえの?」というように詰めてくるタイプの上司だったら精神的にかなりキツイです。
で、先ほども言いましたが、ノルマがきつく感じる理由は、上司、製品、担当企業など様々な要素が絡み合うので、なんとも言えません。
IT営業はただ売ればいい訳じゃない!高いコミュニケーション能力が必要
営業はコミュニケーションが必要と言われますが、
IT営業に必要なのは、圧倒的調整力です。
例えば、あなたが「このITシステムを導入すれば業務効率が2倍に上がります!」と説明する相手はIT部門の部長や実際にシステムを管理する社内SEと呼ばれる人達です。
彼らは実際に私達のシステムに導入してもその期待値と実測値に違いはないか?と技術的な質問がされます。
そうなるとプリセールスと同行したり、社内でITコンサルやサポート、アーキテクトなどと顧客が行いたいことが技術的に可能か打ち合わせを行ったり、企業規模によってはライセンスの値引きが出来るか契約担当者と確認する必要があります。
このようにIT営業の場合は、出来るだけテレアポをして、顧客企業に伺うというのも重要ですが、それ以上に調整力が必要な場合が多々出てくるのです。
まとめ
IT営業は人材営業や不動産営業のような「とりあえず飛び込んで足で稼げ」という営業ではありません。
一つ一つの商談や顧客の規模が大きい場合が多く、より戦略的な商談を進める必要があるのです。
もちろんテレアポや数字目標などがありますが、
マーケティングからMQL(良質な潜在顧客)をもらったり、技術支援を行っているコンサルや、パートナーから案件をもらえることもよくあります。
また転職やプロモーションによる昇給が起こりやすく、
ちゃんと仕事をこなしていれば年収1000万円は難しくない業界です。
もちろんIT営業なりの闇もありますが、(別記事で紹介します) それでも将来性、ワークライフバランスなどを鑑みてもオススメな営業の職種だと思います