からはち(@kara_hachi)です。
「IT営業(セールス)の人はどれくらいのITリテラシーが必要なのか?」というのはIT業界全体が常に考えていることの一つだと思いますし、実際に転職する未経験の人が気にする部分ではないでしょうか?
まあ、もうすでにタイトルに応えが書いてあり、「IT営業でも基本情報者試験は最低限取ろうぜ!」とうのが結論になります。
これからその理由を深掘りしていきます。
IT営業の営業相手は「IT部門の人」であることが殆ど。
IT営業が売り込みかける人は「IT部門の人」であることが殆どで、エンドユーザー(=実際にサービスを使う部門の人)とは要件定義の最初の部分のヒアリングやハンズオンなどではないでしょうか?
「こういうメリットがあります!」と言うのは、製品情報のパワポなどをそのまま言えばよいのですが、お客さんからは必ず技術的な質問が出てきます。
もちろん大規模システムの絵業の場合は、金額も数百万円~数千万になるので、営業が一人という訳ではなく、プリセールス(セールスコンサルタント)や、ITコンサルタント、他にも役員レベルで話せるシニアな人を入れたチームになるので、「技術的な質問はITコンサルタントへ・・・」と丸投げすることが出来ますが、単価の低い製品や導入が比較的簡単なSaaSなどは営業が一人で営業する場合も多いです。
そのため否応なしに、技術的な会話をする必要があるのです。
もちろん魔法の回答である「持ち帰って確認いたします」を使うのは素晴らしいと思いますが、それも何回も続けたり、ITの基本知識の部分でその魔法を言ってしまうと、「あ、こいつわかってないな」と顧客に見破られます。
IT技術の会話というのは、ある程度のITリテラシーを共有していないと成立しません。ITコンサルタントやサポートのような深い知識が必要な訳ではありませんが、それでもIT部門の人と会話できる最低限のレベルのITリテラシーは必要でしょう。
例えば、「データベースって何?」と質問をすると、「データを入れておくもの」というざっくりした答えを言う営業がいます。それは間違いではないのですが、そうなると「データベースとストレージの違いは何?」と言われたら、答えられない場合があります。
それは「なんとなく理解しているから」です。
もちろんデータベースは何かということを一言で説明するのは難しく、「完璧に理解する」というのはDBAの人やサポートの人たちの領域でも難しいでしょう。
しかし、ITリテラシーがあると、「より細かい粒度で理解する」ことが出来ます。
よく「一言で言うと○○というのが大事なんだよ」という人々がいますが、その人たちは逆に一言でしか説明できないということも多々あるのです。
もちろん一見だとそこまで深い内容にならない場合がありますが、交渉のフェーズが進むにつれ、より技術的な深い話になります。
ようは、どんどん粒度が細かくなるのです。
それにどこまでついていけるのか?
その線引きとしては私的には最低限、基本情報者試験の知識、出来れば製品導入出来るくらいの深い知識があれば最高だと思います。
IT知識のない営業は炎上プロジェクトを引き起こす
炎上プロジェクトというのはスキルセットが伴わない人員の投入や、アドオンが多すぎてすくジュールが読みにくい、甘い見積もりなどがありますが、
営業の知識不足で、見合わない工数で受注してしまうこともあります。
作業に対して安すぎる受注をすると、実際に導入するITコンサルタントが工数不足で過労になったり、ただ働きコンサルを追加投入することになってしまうのです。
コンペや相見積もりで勝ち抜くためには、ある程度、値引きしたりする必要がありますが、普通はそれも踏まえてマージンが出るように調節されています。
しかし、知識と経験不足により、自社の作業範囲を明確にされず、運用面などで多大な工数を持ち出すということも多々あります。
基本情報者試験に合格できないレベルの人は適性なしだと思う
かなり攻撃的な見出しですね。(笑)
正直、私自身、ITほど適正が分かれる職業も珍しいかなと思っています。
何故なら。システムアーキテクチャを理解する必要があるのですが、その図を理解すること、その図を構成する様々なIT用語、製品用語、概念を理解する必要があるからです。
言われるがままに製品の良いところを売る訪問販売のような営業以上に、地頭の良さが重要になってくるのです。
不動産営業や人材営業でブイブイ言わせてたとしても、そもそもの製品やシステムを理解することが出来なければ、活躍することは出来ないですし、BtoC営業のようにITシステムを勢いで買うということはほぼありません。そのため電話をかけまくる能力よりも高いITリテラシーと社内外の調整などの政治力などがより重要になってくるのです。
「自分はその適性があるのだろうか?」と思う人はぜひ基本情報者試験を受けてみてください。それに合格すれば「最低限のITリテラシーを持っているかつ吸収できる頭脳がある」と見られるでしょう。
異業種からの転職の人などは「自分がIT営業に向いているかどうかわからない状態」で入社している人が殆どなので、試用期間の3カ月以内に、基本情報者試験を取得するべきとか、入社条件として、基本情報者試験の資格を持っていることで、ふるいにかけるというのも悪くないアイディアなのではないかなと思います。
転職してきた人が、IT適正がないのであれば、お互いにとってミスマッチになり、不幸になってしまいますからね。
ただ、残念なのが、年がら年中やっている試験ではないので、同じようなレベルで、通年で受けられる試験があればよいのですが・・・
いずれにせよ、「異業種からの転職大歓迎!」とするのではなく、IT営業といえでもITリテラシーやIT適正によってふるいにかける必要があり、それを採用フローのどこかに組み込むことがお互いの為になるのではないでしょうか?
そしてIT営業に転職したい人はまず『基本情報者試験』を受験して、IT適性があるかどうかを判断した方がよいと思います。