【10年後の君へ】ITコンサルタントのキャリアパスや転職先を解説!by現役ITコンサル

からはち(@kara_hachi)です。

私が新卒入社の時に、「10年後にどのようなキャリアパスを描きたいか?」ということを研修で書くように言われました。

ただ、その時は入社したのにも関わらず、「ITコンサルのキャリアパスって何ぞや?」という状態で、適当に書いて提出したのを覚えています。

そんなITコンサルタントのキャリアパスや転職先が想像できない人に向けて書いていきます。

ITコンサルタントは主に3つのキャリアパスがある

ITコンサルタントとして働く際に、企業は関係のない職種(ジョブ)という視点で見ると、主に3つのキャリアパスがあります。

現場のコンサル→PM→管理職→役員の出世コース

一番、想像しやすい所謂、「出世」というものですね。私の現在の部長(ラインマネージャー)も新卒から昇り詰めた人で、話をしたことがあるのですが、

IT業界は他社からそのまま部長を引っ張って、同じような役職につけることが多いのと、転職率も高いので、新卒のままから管理職へ出世するという人は一般的な業界よりは少ないと感じているとのことでした。

そして、管理職になると現場のITコンサルタントとして、実際にIT製品を導入する機会が激減、というかなくなります。その代わり、部のメンバーのアサイン状況の管理や、営業に同行しての提案営業、役員や海外の本社との調整などが仕事内容になります。

そのため、ITコンサルタントという職業が好きな人が出世しても、技術に触れられない調整タスクが多いために、結局、辞めてしまったり、自分から現場のITコンサルタントに戻ることが多々あります。

現場のスペシャリストになる

ITコンサルタントは出世意欲が高い人がそこまでいる印がありませんね。

基本的に、管理職になるとほぼ例外なく激務になりますし、現場の技術に触れなくなるからです。

そのため部長を打診されても、

ITコンサルタントという職業が好きな人は現場のスペシャリストとして、活躍したいと思っている人も多いと思って、打診を断るケースも多くあります。

外資系ITベンダー企業の場合、基本的には年次と経験が上がるとコンサルレベルがあがり、ベースとインセンティブも上がります。

ただ、コンサルレベルが上がったからといって、管理職をしなくてはならない訳でもないので、現場の社員のままでコンサルレベルを上げようとする人も多くなります。

しかし、その場合はITコンサルタントの単価が上がりすぎて、アサインが難しくなるという諸刃の剣でもありますが。。。

ただ、ITコンサルタントの場合、40歳、50歳になっても、PMレベルの経験が重なっていれば、作業者としてもPMとしても評価をされるので、「管理職経験がないから、転職できない」ということは全くありません。

IT技術を知っている他業種として、キャリアパスをずらす

ITコンサルタントとして、出征するか、それとも現場一筋で行くのか以外にも、IT知識のある営業、IT知識のあるマーケティング、IT知識のある人事など、ITコンサルタントとしての経験を背景にキャリアをずらしていくという方法もあります。

ITこんコンサルタントである程度、年次を重ねたということはITベンダー企業ならかなり重宝されます。

というのも営業でも人事でも、ジョブ採用だった場合、「自分の会社の製品を一度も触ったことがない」、「実際に自分たちが売っているサービスはパワポでまとめれたトークスクリプトで話すだけ」という人が少なくないからです。

ITコンサルタントというのは、業種視点だと、【出世】、【現場一筋】、【キャリアをずらす】という3つのキャリアパスになると思います。

それでは、「実際にどんな会社に転職してるの?」という転職視点で書いていきたいと思います。

意外と多彩!?ITコンサルタントの転職先

最初に言うと、ITコンサルタントの転職先は【意外と多彩】です。当たり前と言っては当たり前なのですが、現代社会はITと切っても切れない関係なので、IT関連ならそこら中に仕事がある状態ですからね。

それでは実際にITコンサルタントが転職する会社をご紹介します。

IT業界内の同業他社

これが圧倒的に多いですね。イメージとしては、IBM、アクセンチュア、セールスフォース、AWS、Oracle、HP、富士通、NECなどの会社で人材がグルグル流動しているようなイメージですね。

そのため、転職したら、前職の上司や部下がもうすでにそこにいるというのは日常茶飯事ですし、何なら部長クラスの人が引き抜かれたら、その人のチーム内のエース達もまとめてヘッドハンティングされる場合がめちゃくちゃ多いです。

戦略コンサルタント

年次が若いITコンサルタントが、ジョブチェンジとして、戦略コンサルタントとなるのもあります。「ITコンサルタントから戦略コンサルタント?」と思う人もいるかもしれませんが、大規模なコンサルタント会社なら戦略コンサルタントだけではなく、ITコンサルタントも雇っている場合が多いです。

戦略コンサルタントと言うと「社長とかに『ここを改善しましょう!』と提案してお金をもらう人々」と想像する人がいるかと思いますが、

冷静に考えると、その「提案」自体はあまり金にならないんですよね。

それよりもその「提案」の中にITシステムをいれるだけで何千万~何億というディールになります。

そのため、戦略コンサルタントとITコンサルタントも陸続きの業務だと考えてください。

大手SIer

「WordとかExcel、PowerPointを書くのがめんどくさい、もっとゴリゴリプログラミングをしたい、シェルもバンバン書きたい」という人はSIerに転職することもよくあります。

SIerとITコンサルタントの仕事もかなり互換性が高いので、もっと技術寄りにキャリアを振りたいという人はSIerにジョブチェンジを検討してもよいかもしれません。

大手企業のIT部門

取引先のIT部門に転職する人も多いです。

商社でも製造業でも巨大企業は100%、内部にIT部門か子会社としてシステム会社をぶら下げています。

またそのような部門や子会社の中で、製品チームがいるので、ITコンサルタントとして培ったノウハウをそのまま使うことが出来るのです。

イメージとしては、ある程度、年次が高い40歳以上の人が多いと思います。

長年、製品知識を深めた人が、積極的に売る側ではなく、吟味して受け入れる側になるのでしょう。

中高年にとって、この手のキャリアパスは非常に優秀で、入社時からパフォーマンスを発揮できますし、数年いればその大手企業のシステムの機微まで理解できるので、良いポジションに収まることが出来るのです。

ベンチャー企業役員や顧問

これは先ほど説明した【出世】、【現場一筋】、【キャリアをずらす】のうち、【出世】を選んだ人のみが選べます。

管理職から役員レベルまで出世した場合、「一人役職」というのに就く人もいます。どういうものかと言うと、部署で自分だけという状態で、自由に動くというものです。

イジメとか追い出し部屋みたいのではありませんよ。(笑)

そのような人々は巨大システム刷新プロジェクトなどで予算や工数管理の承認待ちなどで滞った場合や、問題が起きた時に、客先の役員や社長レベルと円滑なコミュニケーション出来る人脈を期待されているのです。

技術的な話はもちろんのこと、セールスのライセンスに精通している必要はありますし、圧倒的な政治力が必要になります。

そして、そのような【大手企業とのコネクション】というのは、大手と取引実績が薄いベンチャー企業が喉から手が出る程、欲しいものです。

そのため、外部役員や顧問として、迎えいれたいと思うベンチャー企業も多いのです。

製品をずらしてのIT業界

今までインフラ基盤を中心に仕事をしていたけれど、転職を機にSaaSやIaaSなどのクラウドや、BIツール、MAツールなどの担当分野を変えるという転職もよくあります。

大手企業ならハードウェアからソフトウェア、クラウドまで一気通貫して保有しているので、異動で済みますが、そこまでの規模がない会社のITコンサルタントは担当分野を変えるためには転職するしかないということも多々あります。

また仕事という場合、会社自体に嫌気が指して、心機一転という場合もあるでしょう。

Web企業のネットワークやOS、DB担当

ITコンサルタントの中でもSaaSではなく、ネットワークやデータベースを行っていた人の中にはインフラ基盤担当者として、Web系企業に入る人もいます。

ただ、Web系企業の場合、オープンソースやプログラミングの知識が必要になるため、商用IT製品を導入していた人は勝手の違いに戸惑うでしょう。

そのため、年次が若い人がプログラミングをやりたい、Webに関わりたいと転職する例があります。

逆に年次が高い人がWeb系に企業に転職したというのはあまり聞きませんね。

私の所感

ITコンサルタントのキャリアパスは比較的、幅があることを理解できたと思います。

それでも年次が上がるにつれ、ポテンシャル採用はなくなり、年齢制限がある会社では年齢が引っかかる場合もあります。

そのため、自分の技術、経験、役職、資格、年齢などの自分の手札を定期的に確認し、キャリアパスを考えていきましょう。