オンプレミスからクラウドへの潮流でITコンサルが経験した3つの働き方の変化

からはち(@kara_hachi)です。

何年も前から、「これからはクラウドや!月額課金や!」と営業していたIT業界ですが、エンタープライズ(会社)向けの基幹システムへのクラウド導入は進んでいませんでした。

大事なデータをクラウド上に置いておくのは不安、

メインフレーム時からの名残の複雑なシステム、

IT業界からの御用聞きの結果生じた大量の独自アドオン、

など他にも様々な理由があったのもありますが、それでも時代はクラウド。

徐々にクラウドが浸透し始めました。

そのクラウドからオンプレミスへの変化の中で現役外資系ITコンサルタントである私が感じた働き方の変化を話していきます。

クラウド案件ではオンプレミス案件に比べ、客先常駐が激減する。

私は新卒時、オンプレミスのERPの導入を主に担当していたのですが、オンプレミスということは客先常駐が多くなるわけです。

実際に私も何度も客先常駐を行いましたが、最近ではインフラ側でもIaaSの台頭で、クラウド案件が徐々に増えてきました。

そこで感じたことは「クラウド案件は客先常駐がほぼないから、精神的に楽」ということです。

当たり前と言えば、当たり前ですが、データやシステム自体がクラウドにある場合、客先の社内LANから接続する必要もないので、自分の会社や家で作業を行うことが出来ます。

-社内で先輩に質問や相談がしやすくなる

私みたいな若輩者限定かもしれませんが、クラウド案件はオンプレミス案件に比べて圧倒的に相談がしやすいです。

客先常駐ではお客さんの同じフロアや隣の席などで作業することがあり、質問や相談を気軽に行えない場合があります。(お客さんに聞かれたくない相談や情報共有など)

またプロジェクトルームが与えられる場合でも他のシステム関連の会社の人がいたりするので、気軽に質問が出来るような雰囲気ではないですね。

しかし、クラウド案件なら基本的に定期的なミーティングで作業は自社で行うのが通常です。そのため先輩に質問もしやすいですし、プロジェクトメンバーが持っていないナレッジに関しても社内の別の人間にすぐ相談することが出来ます。

職場環境を自分で調整することが出来る

客先常駐では、お客さんに常に見られているという緊張感があります。もちろん客先にもよりますが、スーツ着用が必須で外部のインターネットに繋がらないパソコンのみ持ち込み可能というのもよくあります。

一方、自社なら比較的自由です。

私の場合、出社時間は厳密には決まっていないですし、音楽を聴きながらの作業や、昼食後は17分ほど昼寝をして午後のタスク処理に備えています。

それに会社に食堂があるので、スピーディに安く、栄養価の高い食事がとれるので、本当に自社出社だと楽です。(笑)

クラウド案件ではトラブル対応を自分たちで解決できない場合が多い

クラウド上にシステムがあるので、何かトラブル(例えば、突然のクラウドシステムのダウン)が起きた場合に対応できない場合がよくあります。

特に外資系IT企業の場合、データセンターが海外にある場合があり、ITコンサルタントが物理的にアクセスすることが難しく、シンガポールやインドなど自社のサポートや開発チームに連絡する必要があります。

つまり、オンプレミスだったら、「システムが止まった?わいらがゴリゴリ直しますよ!」

と言えてたのですが、クラウドでは「システムが止まった?それならグローバルのサポートチームに連絡入れて直してもらいます。」となってしまうんですね。

そうなると、バグなどがあった場合、オンプレミスでは自分たちのマンパワーで工数やいつシステム修繕が完了するのですが、クラウドだと「次回のアップデートで反映します」ですとか、「サポートからの回答待ちです」として言えないので、お客さんに説明することが出来ないのです。

クラウド化でITコンサルタントの英語の必要性も上がった

オンプレミスからクラウド化への変化はITパッケージ製品の売り方から導入まで大きく変えてきました。

特にITコンサルタントは必要な知識ががらりと変わったり、新しい製品やサービスのキャッチアップを超スピードで行う必要があります。

クラウドの特徴として、「なるべくカスタマイズしないようにする」という特徴があります。

今までのオンプレミスなどでは、IT製品を業務に合わせていたのですが、それだとアップデートを繰り替えす度にカスタマイズ部分を開発しなくてはならず、年を重ねると、そのシステムを熟知している人が離職したり、仕様書に書かれていない機能などが出てきて、アップデートの度に炎上を引き起こすモンスターシステムになる傾向があります。

一方、クラウドの思想は逆で、IT製品”に”業務を合わすのが基本になります。

もちろん多少のカスタマイズやアドオン開発などはあるかもしれませんが、基本的には「ねるべく標準機能に業務を合わせようぜ」という考えなのです。

さて、前書きが長くなりましたが、

上記のクラウドの思想の結果、外資系ITパッケージベンダー企業は「なるべくデフォルトで使うなら、サポートや開発もどこかの国に一本化した方がオペレーション楽になるんじゃないの?」という考えになりました。

その結果、シンガポールやインド、フィリピンといった人件費の安い英語圏でサポートや開発を委託するようになりました。

そうなるとITコンサルタントも何か問題やトラブルが起きた場合、海外のサポートに問合せする必要があります。

もちろんオンプレミスでも海外のサポートに連絡することがありましたが、クラウド案件が中心になってから海外とのやりとりは明らかに増えてきましたね。

そのためITコンサルタントも近年は英語力を求められています。

まあ、海外のサポートといっても、同じ会社内なので、比較的フランクな英語でもokというのは気が楽ですが・・・

最後に・・・

私自身もオンプレミスのERPやDBなどを担当しながら、IaaSやPaaSを中心としたクラウド案件にちょいちょい刺さるようになりました。

オンプレミスの時と勝手が違うので、色々と問題も起きやすいですが、そのような変化に順応していきたいと思います。