【20代で年収3000万?!】外資系企業は”超”給料が高いという嘘(というより誇張)

からはち(@kara_hachi)です。

さて、私はアメリカ系大手ITベンダー企業で、ITコンサルタントをしているのですが、

外資系企業に勤めていると知られると、「給料高いんでしょ?」というようなイメージを持たれる場合がそこそこあります。

が、

それは勘違い。確かに外資企業給料が高めだけど、”超”高いのは極々一部だけ」というのが私の主張です。

この記事ではそこらへんの外資企業の待遇の誤解とその理由を解説していきます。

20代で年収3000万円などは外資投資銀行のフロントという職種のみ

よく外資系企業は「激務・高収入」のようなイメージを持たれることが多いですが、そのイメージは外資系投資銀行のフロントのような特定の業務のごく一部の部署という極々一部の人々が注目されているだけです。

私の観測範囲(IT,コンサル)においての20代後半の年収は下限が400万円で上限が1000万円、平均的には年収500万円~800万円くらいのように感じます。

よくいう「30歳で1000万円!!!」というのを目的にするなら、ぶっちゃけ外資ITやコンサルよりも日系グローバル企業や有名商社の方が可能性あるでしょう。

上の記事に書いてあるように、給料体系において、外資系とか日系とかの会社の資本はそこまで関係ないんですよね。

それでも一般的な外資企業が日系企業よりも給料が高い理由

先ほどは、私の観測範囲内の感覚を伝えましたが、その時に「あれ?給料高くね?」と思った人がいるでしょう。

年収何千万みたいな極端に給料が高いことはないだけで、多くの外資企業は普通の日系企業よりも給料は高いと思います。

その理由を現役の私がガチ解説してきますね。

まあ、私も人事ではないので、合っているかどうかはわかりませんが、1つの参考として。笑

外資系企業の給料が高い理由その①:そもそも外国に進出する体力がある会社のため

当たり前なのですが、日本に進出する外資系企業は、「日本進出する前に、もうすでに自国で成功している会社」です。

一方、日系企業といっても、トヨタやホンダのような超大手から、下請け&グループ企業までは幅広いです。

そのことを考えずに、「外資(自国でトップレベル)VS日系(下請け&グループ含む)」という対立にするとそりゃ、待遇に差があるように錯覚しますよね。

外資系企業の給料が高い理由その②:給料体系が明確のため

外資系の場合、給料体系を本国の踏襲する傾向があるので、「年俸制+確定拠出型年金だけ!以上!」という企業が多いです。

住宅手当や残業代や財形貯蓄、管理者手当や資格手当など様々な福利厚生を乗せるのが、日本企業の特徴ですが、外資系は「そんな福利厚生はめんどくせえ!給料に算入すればよいやろ?」という思想です。

私もいくつか理由があり、この思想に賛成です。

  • 手続きが複雑になる
  • 管理費が膨大に膨らむ
  • 転職しにくい
  • 不公平感が良い

という理由です。

改めて考えると当たり前なのですが、福利厚生の項目が多くなると手続きが複雑になるんですよね。

手続きの複雑さになるにつれ、それを処理する人事や総務の間接費用が膨大に膨らみます。

それ以外にも、独身の人には「住宅手当や寮があるのに、結婚した人は不可」とかの不公平感が強く感じられるのも問題だと思います。

あと、住宅手当などを当てに住んでいる人は転職する際は、家賃の見直しをしないといけないので、めんどくさいです。

それに共済などでプール金を払っている場合は、退職後に移管か返金手続きをしなくてはならず、ただでさえ負担のかかる転職に拍車をかけます。

私個人のイメージですが、年金や社会保険、確定拠出型年金、退職金、各種手当や共済金、などの手続きを上手くコンプできずに取りこぼしている人は多いのでは?

そんなこんなで私の中ではシンプルな報酬体系は一番!と感じていますし、同じような思想な外資系は結果として、給料が高くなる傾向があります。

最近ではベネフィットステーションのように「年額でこれだけ福利厚生として払うから、各個人が好きなことに使ってや!」というサービスを取り入れている外資系も多くなりましたが、それはまた別記事で解説したいですね。

外資系企業の給料が高い理由その③:退職金がないため

私の会社もそうですが、企業独自の退職金がない外資系企業は本当に多いです。

まあ、だけど冷静に考えてみれば、

”退職金”という制度は入社してから、定年退職するまでの40年間会社が存続する前提の制度で、中々クレイジーです。笑

今どき、同じ会社に40年も勤める方が少数なのに、それを前提の制度があっても困ります。

早期退職の時の退職金の算出方法とか業績悪くなったらどうするのか?とか

結構、ブラックボックスですしね。

と、話がずれてしまいましたので、戻します。笑

基本的に、外資系企業の場合は、退職金は確定拠出型年金(401k)になるので、会社ではなく、個人に紐づけられています。そのため、転職したとしても、転職先が401k制度があれば移管をし、なければ個人で運用する形になります。

401kの場合、拠出金は非課税になるので、給料の手取りが多くなる傾向が高いのです。

外資系企業の給料が高い理由その④:転職が多い傾向があるから

外資系企業に入社する人は基本的にポジション採用です。

ここにもさくっと書きましたが、基本的に外資系企業は中途採用者で組織として大きくなってから新卒採用を行います。

そのため、そもそもの給料ベースが中途採用者に照準を合わしているので、新卒採用主義の日系企業は、「新卒給料が20万円で5年たったら、30万円、10年たったら40万円」という加齢に対する設計ですが、

外資系企業の場合は

「中途採用者がこのポジションで40万円だから、新卒給料は逆算して25万円」 というように将来のポジションから逆算されて給料が決まる設計です。

それに転職者が多い外資系企業だと、

良い人材を求めるために給料の上げ合いが始める傾向があるので、硬直した組織よりも給料が高くなりやすいのでしょう。

外資系企業に勤める私(28歳・新卒4年目・ITコンサルタント)の場合

はい。ということで、私の観測範囲(IT・コンサル)の範囲内で話したいと思います。

私はITコンサルタントとして新卒4年目なのですが、勤めているところはIT業界の中では一流扱いになっており、

全部コミコミで、今は年収約650万円、新卒時は約500万円になります。

まあ、周りをみてもこんなもんかなとは思うのですが、新卒時の給料のままの人もいますし、営業ではインセンティブを含めて、一時的に年収1000万円を超えた人もいると聞きます。

段々、給料がばらけている認識はありますが、基本的には「30歳時点で年収1000万円」というのは厳しそうですね。

他のトップITベンダーやSIer、戦略コンサルの人にも聞きましたが、30歳時点では年収800万円くらいのイメージです。

こうなると一般的な企業よりは高いですが、有名大手日系企業と比べるとそこまで違いはないように思えます。

ちなみに私の部長クラスでは年収1200万円~2000万円くらいで、インセンティブの比重が多くなる給料設計みたいです。

こうなると、管理職になるのであれば、売れない製品を扱う管理職よりも売れる製品を扱う管理職の方がベースよりもインセンティブで差が出そうですね。

で、役員が年収3000万円以上、社長が年収1億円ってかんじです。

外資系大手ITベンダーといえども、アップサイドはこれくらいなんですね。

まとめ

「20代で年収3000万円」のような外資系企業は投資銀行のフロントという極々一部の人々達で、他の業界、職種はそこまで高くありませんが、

それでも一般的には給料が高く、それには様々な理由があります。

私個人としては、様々な福利厚生よりも給料を増やしてほしいタイプなので、外資系企業の報酬体系の方が肌にあっているのかなとは感じます。

これからは「外資系企業」と聞いても給料が”超”高いみたいなイメージは持たないようにしましょう。笑