からはち(@kara_hachi)です。
ITコンサルタントという職業は世間一般的に、何をしているのかわからない職業の一つであり、ITコンサル自身も自分の仕事が多岐にわたることが多く、一言で説明出来ない場合がよくあります。
私も自分の仕事を両親に説明するときは、「IT製品の導入による業務改善」というふんわりしたことしか言いませんし、祖父母に関しては「パソコンの仕事」とだけ伝えています。(笑)
ITコンサルタントと一言で言っても、導入する際に、実際に客先の環境に入らない営業月のITコンサルタント(=セールスコンサルタント)や、SIer顔負けの開発業務を請け負っている人もいます。
ベンダー企業の場合だと、クラウドかオンプレミスかによっても働き方や必要な知識やインプリ方式は異なってきます。
そうなると、多岐にわたるITコンサルの集合をベン図的に表した論理和としては「IT製品の導入による業務改善」というふんわりした答えになるんですよね。
そのため、未経験の転職希望者や新卒もこの言葉を聞いて、オウム返しに同じようなことを言います。
しかし、このような背景を知っていると、「IT製品の導入による業務改善」というのは間違いではないが、必要十分条件ではないということですね。
「ITコンサルタントの仕事が多岐にわたることは理解したけれど、それに私が合うのか?それはどのようにわかるのか?」という人のために、ITコンサルタントの適正がわかる簡単な方法を教えます。
それは「実際にIT製品を導入して、勉強してみる」です。
IT製品を実際に自分のパソコンに導入=ITコンサルタントの基本の仕事
ITコンサルタントという職業はある程度、大きな企業でないと存在しない職種であり、そのような大きい企業はそれぞれ独自のITパッケージ製品やクラウドサービスなどを展開しています。
そして、殆どの場合、その企業のサービスアカウントさえ取得すると、非商用目的なら無料でダウンロード出来たり、トライアルでサービスを利用することが出来ます。
そのため「ITコンサルタントの仕事が知りたい」という人は実際にパソコン内に仮想環境を立てて、OSからDB、製品のダウンロードまで一通り勉強すればよいのではないでしょうか?
クラウドならトライアルや少額課金して、IaaS上に環境を作ることも試すことが出来るでしょう。
「そんなこと言っても、初めてだからわからない」という人もいるでしょう。
安心してください。
それがITコンサルタントの仕事です!
というのも、ITコンサルタントで製品導入を扱うと言っても、同じシステム、同じ製品、同じ環境というのはあまりありません。
私の場合だと、オンプレミスのERPが主な担当製品ですが、ID認証基盤やクラウドのERP、ドキュメント管理サービスなど様々な製品やサービスに携わっています。
これらは全て知らない状態から自分でキャッチアップしてきました。
SIerやWeb業界で揉まれた人は当たり前だと思うかもしれませんが、IT業界というのは、常に自分で勉強する必要があります。
しかも、それが自分の製品やサービスと全く関係のない分野だったりすることもあるあるです。というかそれが普通です。
ITコンサルタントは”知らない”という不協和音と戦う戦士である
ITコンサルタントに限らず、ITの仕事というのは、曖昧さが許されない仕事です。
「こんな感じでちゃちゃっとやってよ~!」みたいに仕事を振る人もいますが、ソフトウェアや機械相手にそれは通用しません。
そのため、システムのきめ細かな部分まで理解する必要があるのですが、実際はエラーが出て、「何でこうなったのか?」というのをマニュアルや過去のナレッジをあさって、仮定を出し、検証環境で対応策を決定していく。
そしてそれが「知らない」から「○○の場合は、××」という個々のナレッジに溜まっていく流れです。
しかし、「知らない」というのはかなりストレスがかかる心の不協和音です。
営業やセールスコンサルタントという導入を担当しない人々は「コンサルに聞いてみます!」とだけ言えばよいですが、コンサルは確実にエビデンスを取って、客に正確に説明しなくてはなりません。
多くは製品ごとのサポートもあるのですが、ITコンサルもサポートに質問する際は、過去のナレッジやマニュアル、検証環境での再現を踏まえての質問になるので、サポートも「開発に聞いてみます!」としか言えない場合も多いです。
(もちろんそれでもサポートの方が個々の製品知識は深いでしょう。)
そのため、ITコンサルタントは常に「知らない」ということと戦わないといけないのです。
あなたは実際にIT製品を導入して、その過程を楽しめるか?
実際に、自分で製品を導入する際に、知らない単語がアホみたいに出てきます。
例えば、インストールの意味もわからない人もいるかもしれませんし、その場合はインストールという言葉を調べます。そしていざインストールしようとしたら、インストール要件として、OSだの64bitや32bitなどの名前が出てきます。そしてそれらを都度調べる必要があります。
ただ、基本的にはどの製品も外聞向けにインストールマニュアルみたいのはあるので、そのマニュアルに沿って、仮想環境をたてて、環境構築していくと思います。
その際に、情報源としては主にこんなものがあります。
- 各社が公開しているインストールマニュアル
- Google検索
- 各社が公開しているナレッジ検索エンジン
- 製品コミュニティ
マニュアルを参考にしながら、環境構築を行い、わからない単語があればググり、エラーメッセージが発生したら、各社のナレッジ検索エンジンで調べる。
それでもわからなければ、発生した事象と自分が実際に行った施策を時系列に整理した上で、「こう思うのですが、ここがわかりません」のように質問して、環境構築を進めていきます。
この流れは、製品は違えど、SIerやItコンサルタントが辿る道であり、基本の作業です。
もちろん顧客への説明や営業と売り上げに対する施策を考えることもコンサルタントとしての腕が問われる部分ですが、それはあくまで上物。
根底には、「技術という名の知らないことへ対して戦い続ける戦士」であることがあるのです。
この作業を実施しましょう。
そして、この作業で一番大事なのは、構築云々ではなく、この作業中のあなたの感情です。
その過程を楽しめているか、嫌いじゃないか、ということを自分に問いましょう。
もしITコンサルタントの仕事の疑似体験で肌に合わない場合
「自分でIT製品を導入する」という作業が苦痛だったと言う人は、IT業界ではなく、別の業界に転職するか、それとも【IT業界の営業】や【IT業界の人事】や【IT業界のマーケティング】のように少し技術からずらして応募してはいかがでしょうか?
もちろんそれはそれで基本的なIT知識と勉強が必要かもしれませんが、ITコンサルタントのように技術面で深い知識が必要になる訳ではないからです。
それよりも契約やライセンスといった部分の別の知識が必要になってきますね。
でもITに限らず、全ての業界、業種で当てはまるよね?
と、ここまで記事を書いて、読み返してみたのですが、「調べて、わからなかったら人に聞いて解決する」というのは、ITコンサルタントに限らず、どの業種でも必要になることですよね?
何を調べているかというところで、適性判断することが出来ると思うんですけれど、そこで適正が見つかればよいと思います。
が、自主的な勉強経験がない人はかなり厳しいですよね。
例えば、高校は適当に入学して、大学もAO入試などで勉強経験がなく、勉強嫌いだったり、勉強習慣がついていない人は、まず自分が好きになれるものを探しましょう。
好きなものを極めるためには、いずれにせよ勉強が必要になります。
たとえ、ゲームでもサッカーでも野球でも、あるラインよりも上手くなるためには、感覚ではなくデータ分析を行う必要がなってくるからです。
まずはそのような興味のあることから、勉強習慣をつけていきましょう!