からはち(@kara_hachi)です。
最近、ふと「ITコンサルタントとシステムエンジニア(SE,SIer)の違いってわかりにくいよな~」と思い、ググったのですが、転職エージェントのざっくりとした説明しかヒットしませんでした。
内容としては、ITコンサルタントは上流で提案して、システムエンジニア(SE,SIer)はそれをシステム的に落とし込む、みたいな。
まあ、間違っていないけれど、リアルじゃないんですよね。
その上、門外漢の転職エージェントが、他の転職エージェントの書いた記事をパクっているので、同じような内容が並んでいて、ぶっちゃけわかりにくいです。笑
ということで、この記事では、私が独断と偏見でITコンサルタントとシステムエンジニア(SE,SIer)との違いとそのリアルを書いていきます。
ITコンサルタントとシステムエンジニア(SE,SIer)の決定的な違い
私自身も文系出身で、就職前はITコンサルタントとシステムエンジニア(SE,SIer)の違いがわからずに入社しました。
実際に多くのITコンサルタントやシステムエンジニア(SE,SIer)と仕事をしてわかったことは、
「ITコンサルタントとシステムエンジニア(SE,SIer)には明確な違いは存在しない」ということです。
しかし、「全く同じ!」という訳ではなく、
「ITコンサルタントってこういう仕事すること多いよな~」という傾向も存在します。
ということで、現役の外資系ITコンサルタントの私が感じるITコンサルタントとシステムエンジニア(SE,SIer)の違いの”傾向”を表としてまとめてみました。
自社サービスの有無
顧客との関わり方
客先常駐
エンドユーザーとの関わり
独自システム開発案件
転職エージェントが適当に書いた仕事内容の違いではなく、ここからは現役ITコンサルのリアルな体験から書き綴っていきますね。
自社製品or自社サービスの有無
私がITコンサルタントとシステムエンジニア(SE,SIer)の違いの中で大きいのは、自社製品を持っているかどうかということです。
私の場合は、ベンダー企業なので基本的には
自社製品や自社サービスの導入を行っており、
他社製品の導入プロジェクトはアサインされたことがありません。
(インテグレーション系のプロジェクトでさらっと触ることはありますが。)
自社製品があり、それを導入するような会社でITコンサルタントと名乗っているなら、
文字通りITコンサルタントでしょう。
ただ、ここで難しいのは「自社製品があり、ITコンサルタントという名刺を持っていればITコンサルタント?」
と言われると必ずしもそうではありません。
その理由を書いていきましょう。
【戦略コンサルや会計コンサルがルーツの会社のITコンサルタント】
会社のルーツってありますよね。
下請けのSIerから独立したとか、そんなやつです。
PwCは元々、会計ファームですが、今ではテクノロジーチームを擁し、ガンガンITプロジェクトを回していますし、戦略コンサルのアクセンチュアも今ではITコンサルタントとしても有名です。
このような会社の場合、PMOで進捗管理を行い、他のベンダーやSIerに導入作業を投げる場合もありますが、このような巨大企業場合、殆どは自社にテクノロジー部隊を抱えて、実際に提案から導入まで一括で行います。
しかし、このような企業はエンドユーザーの目線でベンダー選定から関わるので、
自社製品を持ち合わせず、ソリューションのみを提供する形になります。
ただ、実際の導入作業まで請け負う場合も多いので、そうなると自社製品を持っているベンダー企業のITコンサルタントと仕事内容はほぼ同じです。
【自社製品を持っているけれど、売れていないベンダー】
自社製品が売れていないベンダーはシステムエンジニア(SE,SIer)を派遣して、他社製品の導入を行う場合が多いです。
もちろん提案などに携わる場合もありますが、人月商売のSES派遣型で利益を得る方にシフトしているSIerはよく見ます。
その人達の名刺を見て、ITコンサルタントと書いてあるとなんとも言えない気持ちになってしまいますね。
顧客との関わり方
私が外資ITベンダー企業でITコンサルタント行っているので、プライムベンダーになることが非常に多いです。
私が勤める会社のようにITコンサルタントの単価がめちゃくちゃ高い場合は、セカンダリーベンダーで別の会社が入ったりしますし、そこらへんは契約次第です。
実際、私もプライムベンダーの下で、直接顧客と接しないようなプロジェクトに入ったことがあります。
しかし、
やはり自社製品を持っているベンダーはプライムベンダーになりやすく、セカンダリや下位ベンダーとしてプロジェクトに入っても技術支援的な役割が多いです。
そのため提案から顧客に携わることが多いのが、ITコンサルタントですね。
システムエンジニア(SE,SIer)でも提案から入る場合もありますが、やはり多いのはプライムベンダーに派遣されて、そこで作業するということではないでしょうか?
振り返ってみて、「色々な現場に入れられてるけれど、自社で提案とかしてないな」と思ったなら、名刺がITコンサルタントだったとしても、システムエンジニア(SE,SIer)の仕事でしょう。
客先常駐
ITコンサルタントの単価は非常に高額であるため、
なるべく早めに社内IT部門にスキルトランスファーを実施する傾向があります。
そのため客先常駐として携わることがあっても、通常の運用保守ではなく、導入から初期の運用支援あたりまでの比較的期間が決まっている短い期間になります。
一方、御用聞きになりかけているシステムエンジニア(SE,SIer)の場合、社内IT部門の代わりに通常保守をする場合も多くあります。そのため「抜けられないプロジェクト」というのが発生します。
まあ、それぞれメリット、デメリットあるのですが、それは下記の記事に書いたので、ぜひ読んでみてくださいね。
エンドユーザーとの関わり
この場合のエンドユーザーというのは購買システムなら購買部、マーケティング支援システムならマーケ部、CRMなら営業部とかですかね。
ようは「実際にシステムを利用するユーザー」との関わり合いをどのように持っているかということがあります。
ITコンサルタントの場合は、エンドユーザーの要望のヒアリングからQA対応、システム操作教育まで実施するため、社内IT部門以外のエンドユーザーとよく会話をすることになります。
逆にシステムエンジニア(SE,SIer)の場合、エンドユーザーと話す機会は殆どありません。圧倒的に多いのは元請けのプライムベンダーのITコンサルか、顧客の社内IT部門の人までです。
-独自システム開発案件
ITコンサルタントの場合、基本的に自社でシステム開発は行いません。
特にクラウドが時流になってから開発案件は激減しています。
オンプレミスだろうが、クラウドだろうが、標準機能に業務を合わせて、どうしても外せない業務はアドオン開発するというのがITコンサルタントの開発です。
しかし、システムエンジニア(SE,SIer)の場合、顧客が欲しいシステムを独自開発する傾向があります。
もちろん独自開発が悪い訳ではないのですが、パッケージ化された製品よりも遥かに工数と工期の計算をするのが難しくなりますし、他のSIerとコンペになって、格安で受注してしまった場合は、デスマスーチになる可能性が高くなります。
まとめ
このようにITコンサルタントとシステムエンジニア(SE,SIer)の境界線ははっきりはしていません。
しかし、客先常駐の質であったり、顧客との関わり方などで”違いの傾向”というのはわかってきます。
まあ、もちろんこれは私の中でのITコンサルタントとシステムエンジニア(SE,SIer)の違いなので、他の会社で働いていたらもっと違う感想になるのかもしれません。
私はとりあえず、転職者を集めるためだけに、知ったかぶってて、ITコンサルタントとシステムエンジニア(SE,SIer)の違いに関して書いてある転職エージェントにイラついてます。笑
だって、「ITコンサルタントは上流で、提案を主にする」といってもロールが低ければ、提案ではなく、ITアーキテクト(作業者)としてアサインされる可能性が高いんですよ?
ITコンサルタントとシステムエンジニア(SE,SIer)は殆ど業務的には似ているにも関わらず、ITコンサルは提案!というような勘違いが起きるとミスマッチが生じます。
転職エージェントはキラキラした部分を見せて、転職させればok!だと思いますが、
本人はたまったもんじゃないですからね。笑
もっとITコンサルタントに関して詳しい仕事内容を知りたい人はこの記事も読んでみてはどうでしょうか?